2017年11月15日 | ビジネス
部下とのコミュニケーションの悩みを解決する方法
「部下や後輩と思った通りにコミュニケーションが取れない」
こんな悩みを抱える、30代、40代の方も多いのではないでしょうか。おそらく、ほとんどの方は20代の社員が部下や後輩にあたるかと思います。そうなると、どうしてもジェネレーションギャップが生じてしまいますね。
特に、今の20代と30代以上のジェネレーションギャップは、他の世代間よりも大きいかもしれません。そこで、今回は部下や後輩とのコミュニケーションをどう取れば良いかご紹介しましょう。
部下にあたる20代の特徴
そもそも、20代の社員にはどのような特徴があるのでしょうか。まずは、ここから押さえていくのがコミュニケーションをうまく取るための出発点になります。
考えられるものとしては、以下の5つです。
- 無駄なことはやりたがらない
- 叱られ慣れていない
- テレビ・新聞よりスマホが情報源
- 上下関係を意識しない
- 会社が全てと考えていない
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1, 無駄なことはやりたがらない
まず若い世代の特徴として、無駄なことをやりたがらないことが挙げられます。良い言い方をすれば、合理的で自分のためにならない、やりたくないことは極力避ける傾向があります。
30代以上の世代だと、無駄なことをやるのは良い経験だと捉えることができるかもしれません。しかし、20代になると、世の中はインターネットがあるのが当たり前、スマートフォンがあるのが当たり前の世代です。何かやる前に、インターネットで調べ、それが無駄にならないか判断します。
また、集団よりも個人に重きを置く傾向が強いです。30代以上の方からすると、自己中心的なように見えますが、これが20代の特徴でもあります。だから、飲み会のようなイベントは、自分の時間が削られたり、上司の相手をするのが嫌だと避ける傾向があります。
2, 叱られ慣れていない
もう一つの特徴は、叱られ慣れていないことです。特に、20代の部下や後輩とコミュニケーションを取るときは、注意が必要です。
昔であれば、親や近所の人、学校の先生や部活の顧問や監督から怒鳴られることが当たり前という時代もありました。しかし、今の時代は親が子どもに対してほとんど怒りません。一人っ子が増えているのもあり、甘やかす傾向が強いです。
そうして、怒られ慣れていない子どもに対して、学校の先生も叱ることができません。一歩間違えると、親からクレームが入り、自分の身分が保証されない事態になるためです。
こうやって育ってきた若い世代は、社会に出てからも怒られることに慣れていません。何か不手際があっても、先輩としてじっと我慢しながら教えていく必要があります。
3, テレビ・新聞よりスマホが情報源
また、先ほどお伝えした通り、20代はインターネットが当たり前の世代です。テレビや新聞の情報より、インターネットの方が接触頻度が高く、情報源としています。人によっては、テレビや新聞は必ずしも真実を伝えているわけではないと認識しているかもしれません。
テレビのドラマやバラエティーなども、以前は共通の話題になっていましたが、20代はテレビのためにスケジュールを調整するということがなくなりつつあります。スマートフォンでYouTube などを観る方が楽しいという人も多くなりつつあります。
4, 上下関係を意識しない
厳しい上下関係、体育会系でよくあったこの文化も、徐々になくなりつつあります。行き過ぎた上下関係が問題になり、平等意識が広がりつつあるのです。
部下も上司や先輩の言うことが絶対という認識を持っていません。必要であれば、先輩や上司に対して意見します。また、意見するならまだしも、ノーリアクションというケースもあるかもしれません。先輩や上司が言うからやるという意識は薄れつつあるといえるでしょう。
5, 会社が全てと考えていない
先輩や上司を絶対と思っていないならば、会社も絶対とは考えていません。一昔前であれば、会社が何よりも最優先という風潮がありました。家族との時間を犠牲にしてでも働くのが美徳というのがサラリーマンの常識でもありました。
しかし、現代は違います。若い世代はバブルが弾けて、停滞した日本しか知りません。その時代で、誰もが知っている大企業ですら倒産や経営危機に陥る実態を目の当たりにしています。いざとなれば、あっさり転職して居場所を変えることも厭わないのです。
なぜ、部下との間ですれ違いが発生するのか?
ここまで紹介した特徴をもとに、部下や後輩とすれ違いが発生する原因を見ていきましょう。
世代間の常識の違い
先ほど見てきたように、みなさんの部下や後輩になる人たちは、私たちの常識と大きく異なる部分があります。この違いが、すれ違いを生んでいる可能性が高いです。
常識の違いは、なかなか埋めきれない部分でもあります。それだけに、どうやって解決したら良いか悩んでしまう人も多いでしょう。
ただ、諦めてはいけません!この後に、部下とコミュニケーションを取る方法の中で、これを解決する手段をお伝えしますので、ぜひお読みいただければと思います。
コミュニケーションの当たり前
30代以上は、電話でコミュニケーションを取るのに抵抗はありません。しかし、みなさんの部下はそうでない可能性が高いです。ツイッターやLINEが当たり前で、基本文字情報でやり取りするのが一般的です。そのため、本来なら電話でやり取りする内容も、メールや場合によってはラインで済ませようとします。
会社を休む連絡も、電話やメールでなく、LINEで行うという話を聞いたことがあるかもしれませんが、これが当たり前なのです。
ミスや不注意ばかり指摘してしまう
ついつい、部下のミスにばかり気を取られて、そのことばかり指摘していないでしょうか。確かに、ミスを野放しにするのはいけませんが、それしか言わないとなると部下や後輩の立場からすると距離を置きたくなります。そうならないためにも、コミュニケーションの取り方は注意が必要になります。
部下とのコミュニケーションを取る5つの方法
すれ違いの原因がわかったところで、ここからはそれを解決する方法について5つお伝えしましょう。
- 話を聞く
- 褒める
- 一緒に悩みや課題を解決しようとする
- できるだけ前向きな話をする
- 将来のキャリアなど相談に乗る
一つずつ、細かくみていきましょう。
1, 話を聞く
少々我慢が必要なことですが、上司・先輩として部下や後輩の話に耳を傾けてみましょう。相手のことを知れば、考えていることや常識が徐々に見えてきます。また、その背景にある事情も掴めるようになるでしょう。そうすることで、相手を理解することができ、今まで以上にコミュニケーションが取りやすくなるはずです。
また、最近の流行りなんかも聞いても良いかもしれません。そうすることで、世の中の動きを理解することに繋がり、みなさんの仕事にも役立つかもしれません。
上司や先輩だからと構えているのではなく、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
2, 褒める
失敗を指摘してあげることも大事ですが、褒められるところはきちんと褒めることも重要です。部下や後輩も頑張って成長しようとしています。その姿勢をしっかり見て、褒めることで信頼を得ることができるでしょう。
そうすると、甘やかしていると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。褒められないところを無理に褒めろということではなく、あくまで褒められるところだけしっかり褒めるということです。
みなさんも褒められて、嫌になることはありませんよね?自分がしてもらって喜ぶことを、相手にしてあげても良いのではないでしょうか。
3, 一緒に悩みや課題を解決しようとする
部下も日々仕事をする中で、悩みを抱えたり、壁にぶつかったりします。そういう時に、手を差し伸べられるようになると、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
手を差し伸べられるようにするには、日々部下の様子を観察する必要があります。何かおかしいと思ったら、一言「どうしたの?」と声をかけられるようになりましょう。
4, できるだけ前向きな話をする
ちょっと後ろ向きな会社への愚痴などではなく、前向きな話をすると部下や後輩の見る目も変わるかもしれません。普段愚痴ばかり言う上司や先輩は魅力的には映りません。
かっこつける訳ではありませんが、まずは仕事に前向きに取り組む姿勢を、部下に見せることも大切です。
5, 将来のキャリアなど相談に乗る
仕事に前向きな姿勢を見せると、部下や後輩の方もみなさんを頼りにしてきます。こちらからアプローチしなくても、向こうから話をしてくるようになります。
そうなると、部下のキャリア相談に乗ることもあるでしょう。大事な将来について、できる限り良い方向へ進みたいと部下も考えているはずです。その時は、親身になって話を聞いてあげましょう。
場合によっては、会社の枠外を超えて、キャリアを考えてあげる必要があるかもしれません。どこまで踏み込んで話すか考えることもありますが、あくまで部下や後輩にとってベストだと思うキャリアを一緒に見つけてあげましょう。転職するのがベストとなれば、それを伝えるのもアリかと思います。
部下とのコミュニケーションは、基本的なことの積み重ね
ここまで、部下や後輩にあたる主に20代の人の特徴やコミュニケーションのすれ違いが生じる原因、そしてその解決方法についてお伝えしました。
ここまでお読みになってご理解いただいているかと思いますが、解決方法については当たり前のことがほとんどです。最後に重要となってくるのは、この当たり前を積み重ねることです。日々の業務の中で、意識するようにしましょう。
この記事が、部下のみなさんとのコミュニケーションを改善するきっかけになれば嬉しい限りです。